ハゲタカmovie ようやく見ました。


近所のゲオは、それはもう小さくて、例えばこのハゲタカmovieなんて2本しか置いてません。
ようやく見ました、というのはそういうわけです。

ドラマのハゲタカは、日本のドラマでもここまで出来るのか!と衝撃を受けた作品でした。
優秀な「日本のドラマ」って、ある程度コミカルさがありますよね。
古畑任三郎とか、踊る大捜査線とか。
笑いアリ、涙アリ、感動アリって感じで。
この前見たBOSSもやっぱりそう。(後輩のau boxで見せていもらいました)

対照的に、ドラマ・ハゲタカは徹底的にシリアスで、それでいてテンポがいい。
さすがエヌエイチケイ。。
とくに第1話。
ファンドとはどういうものかを、その切ない現実を45分に詰め込んで、詰め込んで、圧倒的な密度。
2~3話は、続き物で、(ちょうど債券が完全電子化した時代の話であることもあるとおもうのですが)外資ハゲタカファンドの情無き効率性と、1分1秒を争う情報戦から、必然的にスピーディな展開になります。

物語のベースには、カネで人が死を選ぶしかない現実、カネのある悲劇、カネのない悲劇があります。
が、結局ドラマとしての面白さは、そのシリアスな現実を基に、金融界のバトルのスピーディさが描かれていることにあると思います。


そして、ムービー・ハゲタカ。
残念ながら☆☆★★★くらいか。

全体的にハゲタカのスピーディさがない。

人ではなくカネを中心に世界が回っている切なさを、ドラマでは物語の展開で表現していました。
例えば、追い詰められた旅館の主人が自動販売機の小銭を集め出す、とか、貸し渋りで自殺した町工場の主人の葬儀に、その融資担当だった行員が出席して頭を下げるとか、そういう動きのあるシーンが胸を苦しくさせてくれました。

しかし、ムービーではその切なさを、ただ横顔を意味ありげに写すだけ。
いわば動きの無いシーン。
これに頼り過ぎるとロクなことがありません。
2時間の間に横顔シーンが2,3回程度であれば、本当に意味を成すと思いますが、これだけ多いとただ間延びしているだけなのです。

それからストーリーそのものにも無理があって、リアルさを求めた映画(ですよね?)なのに現実味が感じられない。
<ネタバレあります>
中国の政府系ファンドが日本のトヨタとか日産みたいな車メーカーを乗っとろうとするのですが、そうなったら普通は日本政府が出てきて、企業間ではなく国家間の問題になるはずです。
しかし、鷲津ファンドという主人公の民間ファンドが知恵と工夫と信念でチャイニーズファンドをケチらします。

まあ、その辺は爽快で気持ちよかったけれど。

全体としては、ハゲタカファンにとってはまったりと間延びした映画になっちゃって残念だったなー、です。


2年間に500本の映画を見た時期があり、その反動で全く見なくなっていましたが、ようやくまた見る気になってきました。
ときどきレビューします。
昔のレビューとおすすめ映画はコチラ
http://www55.tok2.com/home2/skylures/movie1.html

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